ちょっと前のはなしです。
ぼくがまだ前職の乳製品輸入商社でバリバリ働いてるころ、4月になり新入社員が3名はいってきました。
乳製品業界じゃ名の知れた会社なものの、当時の社員数は50名ほど。
B to Bなので一般的な知名度はなく、ただただ大手乳業メーカーや製菓会社から絶大な信頼を得ていた会社です。
急性アルコール中毒とは
たまにニュースになりますね。大学生が新歓コンパで一気のみして死者がでたとか。
大量のアルコールを飲んだとき、とくに一気飲みで血液中のアルコール濃度が上がったときになりやすいようです。怖い。
急性アルコール中毒とは、アルコール飲料を短時間で多量に摂取することにより生じる中毒症状のことをいいます。
典型的な例として、大学や職場、仲間内などの飲み会でお酒を「一気飲み」した時に起こり、血液中のアルコール濃度が上がったときに発症します。
急性アルコール中毒の症状
それでは、どのような症状がでてくるのでしょうか。
わかりやすい図がありました。
飲む前知っておきたい!急性アルコール中毒にならないための予防と対策 | メディカルとやま
この図にあるうちの赤い部分、つまり意識障害や低体温、昏睡状態にまでいくと命の危険性があるといっていいのでしょう。大至急、救急車を呼ぶ必要があります。
後述する新入社員の彼は、まさにこの昏睡状態までいき、ゼェゼェと通常の呼吸さえできない状態にまでなっていました。
いま思い出してもかなりヤバイ状態だったのがわかります。
急性アルコール中毒の症状
ぼくがいた会社も他社同様に、新入社員がはいってきたので新歓コンパをおこないました。
1次回に参加したのは3名の新入社員。女子もいてなごやかに時間がすぎ、2時間ほどたってから2次会、みんなでカラオケです。
商社マンは飲み会慣れしてる
途中で女子がぬけ、2名の新入社員とともに、みんなでバカ騒ぎ、とにかく大学生のごとく、というよりも商社マンのごとく飲んで飲んでのみまくります。
もうこのあたりは本当に飲み会になれた商社マンたる所以で、みんな場を盛り上げるのが上手い!
カラオケをつかったゲームやベタな山の手線ゲームなどで、負けたひとはジャンジャン飲まされます。
このときすでに、夜中の1時。次の日はみんな仕事です。
商社ではよくあることですが、こういった朝帰りの飲み会で翌日仕事なんてことがザラにあるのです。
そこで「ムリするな」とみんなが気をとめるものの、「大丈夫、大丈夫」と、新人くんも他のひと同様に次から次へとグラスをあけていきます。
そうやってカラオケで盛り上がっていると、そのうち1人が見当たらなくなりました。どうやらトイレでリバース、吐きまくって寝だしてしまったようでした。
急性アルコール中毒の症状がでてきた
しばらくしてそろそろお開きにしようといったときです。
どうやら彼の様子がかなりヤバイことに先輩たちが気づきました。ちなみにこの会社は昔ながらの年功序列です。
ぼくのような下っ端が酒をつくり場を盛り上げ、上司はドーンとイスに座ってるだけ、ただ支払いはすべてしてもらう、そんな感じです。
この新人くんはすでに半分気絶状態で、たんに飲みすぎて寝てるだけだとおもったわけです。
ただどうも様子がちがう。
呼吸するのも苦しそうで、ゼェゼェと十分な酸素が取り込めていないような状態でした。
するとすぐに、全身がものすごい勢いで痙攣しはじめたのです。
ピクピクと軽い感じではなく、よくドラマーが全身をつかってドラムを叩くような、ああいった激しい痙攣がはじまってしまいました。
しかも本人に意識がない。
アルコールと死が結びついた
さすがに先輩はじめ皆んながヤバさを感じ、すぐに救急車を呼びました。
そのあいだにも息が止まるんじゃないかと心配で、みんな焦ります。
するとまもなく救急車が到着し、担架にのせられ、先輩がひとり同行して病院に運ばれていきました。
ぼくはどうしようもなくそのまま帰路についたわけですが、酒の怖さをマザマザと見せ付けられました。
アルコールと死が初めて結びついた瞬間でもありました。二日酔いで気持ち悪いなか翌日出社すると、そこには彼の姿がありません。
どうなったのか心配で同行した先輩にはなしを聞きにいきます。
すると、救急車で運ばれてからしばらく安静にしたら、朝方、次第に症状は回復してなんとか大丈夫だったみたい。
念のため本人には、きょうは自宅でゆっくりするよう伝えたようでした。
パワハラや年功序列が影響
ニュースでたまに聞く大学生の一気飲み。そしてそれが元で亡くなるひとがいる現実。
その危険性を感じるとともに、こういったことが起こる背景には、年上から年下へのパワハラ(?)がある気がしました。
年上の人を敬い、なかなか断れないといった日本特有の文化も影響しているでしょう。
大学生であれ会社員であれ、すすめられたら断りづらいですよね。
強制ではなかったものの、どうしても場の空気や新人という圧力から、ムリをして飲んでしまうのも事実。
本来であれば、そういった大量にアルコールを飲みまくる飲み会自体がなくなればいいと思うものの、商社といった高給料、高ストレスの業界で、さらに飲むことが仕事の受注を増やすような職場ではなかなか減らないのも、しょうがないっちゃぁしょうがないのかもしれません。
でももうちょっと皆んな、お酒の飲みかたはしっかりとしたほうがいいとおもうけどね。このときは良かったものの、最悪の事態が起きてからでは手遅れです。
大学生だけでなく、新入社員が一気飲みで亡くなった、といったニュースもたまに見ますからね。
気をつけないといけません。